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さっきまでの暗闇と違い、いきなり光の洪水のような…眩しい!
地面があった。
土の匂いと草の匂いがした。
俺は湖から淵へ引きずり出されたらしい。
急にゴホゴホと咳き込み、肺に入ってた水がゴボゴボと…
俺…溺れてた?!
「助けるのに暴れるってナニ?」
少し怒ったような女の子の声が。
俺は声の方に視線を向けて、
慌てて眼を背けた。
湖の中で見た裸の女の人が居た。
彼女は、アメルが洗って干したであろう服を木の枝から取って…
あれ?!
彼女から滴る水と一緒に、彼女の姿が小さく…
服を纏うと、さっきまで一緒に居た小さな女の子、森の子だと言ってたアメルだ。
ただ、白い長い髪が背丈より長く、立っているのに地面に広がってる。
服を着たアメルが、
「それだけ濡れたら、服洗う必要ないね」と言いながら笑った。
さっきより幼い感じがした。
いったいどれだけ縮むんだ?!
少し不安になり、
俺はアメルの腕を掴んでた。
「あ…止まった。」
アメルが呟いた。
その時
「ピーーーーィ」
という鳴き声が上空から聞こえた。
フワリと灰色の布が落ちてアメルを覆った。
白い小さな竜だ。
白い…
アメルと同じ赤い瞳をした竜だ。
竜が運んできた布は、フードだった。
アメルは、フードを羽織ると、俺を見上げて、
「魔女の家に行くんだろ?」
不機嫌そうな彼女は、やはり最初に出会った姿より幼く小さくなってる?!
森の子…って……。
アメルは立って尚、足元の地面に広がる髪をたくし上げながら、やはり不機嫌そうに
「おまえの所為だから、レティーには一緒に叱られるんだよ」
叱られるって何だ?
よくわからないけど、はじめての森で、すでに迷子状態な俺は、彼女のあとを見失わないよう追いながら、
「アメル、俺の名前は、リクだよ」
俺の声に振り向いたアメルは
「ふぅん。。。」
とだけ、すぐに前を向き、滑るように森を歩いた。
アメルのあとを追いながら、さっきまで濡れていた身体や服が乾いてるのに気付いた。
不思議な森だ。
さっきまで居た湖の方で木々がザザッと風に揺れた。
なんか優しい音だ。
「リク、こっちだよ」
アメルの声がした。
俺の名前を呼んでくれた。
なんか、森に迎え入れられたような気がした。