おにごっこ

º· .•*¨✼ºᵒ••ᵒº° ˚°ºᵒ••ᵒº.✼¨*•.* ゚

今日はユキさんと一緒にレティシアの書庫の掃除をお手伝い。
なんであの人は、出した本を棚に戻さないんだ?

ユキが苦笑い
「忙しい人だからね」

相変わらずレティシアに甘い人だ。。。
おれは、苦手だ。
おれが困って相談しても
「自分でなんとかしなさい」
と、口調は優しげだが、目が笑ってる…
おもしろがってる(。•ˇ‸ˇ•。)


不意に背中を
ぽん!

下向き加減に振り向くと、満面の笑みを浮かべたアメル。

「リク、鬼だょ」

そう言うと走り出した。

頭にぽん!と
「ここは俺が片付けとくから、言っておいで
早く追いかけないと見失うぞ」

ユキさん…
おれがまた森で遭難する予言ですか?(>_<)

書庫の横の窓が開け放たれて、長い髪を揺らして走るアメルの後ろ姿…
え?ココから降りろと?!

「ムリ!ちょっと待って!!」

ぐるりと廊下をまわり入口から出ると

「おそい〜っ!」٩(◦`꒳´◦)۶

でも、アメル
その場で待っててくれた。

そして鬼ごっこ開始!


樹々の隙間からチラチラとアメルの長い髪がふわふわ。

いくら追いかけても追いつくこともなく…

いつもの事だけど、アメル素早い(>_<)

おれより遥かに走り回ってくすくす笑ってる。
あの小さな体のどこにそんな体力が?
おれは肩で息してるってのに……

このまま追いかけたら、置いて行かれて…
もうすでにココがどこかわからん。
家の方向もわからん迷子だ。

レティシアの魔女の家は、森の中で一番大きな木。
わかりやすいが、
頭上の樹々が邪魔で、
木の上にでも登らないと見えない。

「もう、ムリ〜!!」
大きな声を絞り出して、地面にへたりこんだ。

悔しいとか、恥ずかしいとか、そんなのどうでもいいや。おれの負け。

この前、森の中に置いて行かれて迷子になって遭難…
さすがに懲りた☆

座り込んで動かないおれの様子を見て、トコトコ近づいてくるアメル。
おれの顔を覗き込む。

「つかまえた!」

小さなアメルを羽交い締め。

「ずる〜ぃ」(。•ˇ‸ˇ•。)

アメルは小さくてあたたかくて、ぷにぷにしてて、
いいにおぃ。。。



「くすぐったい…」
と小さな首をすくめて笑うアメル。

はっと我にかえって…
耳まで赤面、⁄(⁄ ⁄•⁄ω⁄•⁄ ⁄)⁄
うん、耳があつい。。。

とっさに手を
離せばよかったかも…

腕の中から小さな寝息が聞こえてきた。。。


…おれ、迷子なんだけど…
( >д<)、;'.・